消化器外科 ニュースレター vol.3 2014 Sep.
 
大腸内視鏡検査は苦しい検査? 今は昔

今回は大腸内視鏡検査(大腸カメラ)についてお話ししたいと思います。

大腸内視鏡検査というと、大変な検査というイメージがある方もいるのではないでしょうか?

確かに少し前までは(といっても約20年くらい前ですが)、患者さんにとってはやや苦しい検査だったかもしれません。 大腸内視鏡検査はおしりから盲腸(大腸の始まりの部分)までカメラを挿入し、そこからカメラを抜きながら大腸全体を観察してくる検査法です。
 
この盲腸まで挿入する技術が以前は医師にとってやや難しいものであり、 時間がかかることがよくありました。そのため空気でおなかが張ってしまい、結果的に苦しい検査となることが多かったのです。もちろん、当時から大腸内視鏡技術の優れた医師もいましたが絶対数が少なかったのです。 その後、患者さんにとって楽な大腸内視鏡検査を行うために、様々な方法が試行錯誤されてきました。そして学会においても常にその事が話題となり検討されてきました。それにより大腸内視鏡検査技術の進歩・普及が行われてきたのです。 そして現在では、大腸内視鏡検査技術の熟練した医師が圧倒的に増えてきました。同時に内視鏡検査機器の発展もあり、今日では大腸内視鏡検査は患者さんにとっては、それほど苦痛のない検査になったと思われます。
 
医学・医療の進歩というと、一般的には新薬の開発や最近ではiPS細胞など基礎医学での話題が多いかと思います。その一方で、医師の技術の進歩、臨床の場での人の進歩というものがあるのです。近年の大腸内視鏡検査の発展は、まさにそのような進歩といえるでしょう。 当院も例外ではなく、常勤・非常勤ともに大腸内視鏡検査の技術は、昔と比較すると比べものにならない程上達しており、日々、患者さんに苦痛の無いよう心がけて検査を行っております。近年では、大腸癌の罹患率が増加しています。大腸癌に限らず大腸の病気が疑われるような症状(下血、下痢、便秘など)がある場合は、一度消化器外科外来にご相談ください。
(消化器外科部長:普光江 嘉広)
 
 
 
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