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骨粗鬆症外来

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骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は、何らかの原因によって骨の吸収と骨の形成のバランスが崩れて骨の量が減少し、骨がスカスカになり、もろくなって骨折しやすくなってしまう疾患です。ひとことで言いますと、「骨が弱くなって骨折しやすくなる病気」です。骨粗鬆症が進むと、尻もちをついただけでも、背骨や股関節の付け根の骨折が簡単に起きてしまいます。

骨粗鬆症は閉経後の女性や高齢者に発症しやすいとされ、全国に1300万人もの患者さんがいると言われています。女性は閉経後の女性ホルモンの減少で骨のカルシウムが減るため骨粗鬆症になりやすいことがわかっています。70代後半になると半分以上の方が骨粗鬆症となります。男性でも80歳以上になると半数が骨粗鬆症になると言われています。しかし、その多くは診断されずに未治療のままです。実際にクリニックや病院で診断・治療を受けている方は15%程度に過ぎず、残りの85%の方は治療を受けていないことになります。

では、なぜ骨粗鬆症の方は診断・治療を受けていないのででしょうか?それは、初期には症状がないからです。骨粗鬆症において、骨密度や骨のカルシウムが減少するだけでは特に症状が現れることはありません。そのため、骨粗鬆症になっていることに気づかないまま、骨粗鬆症が進行していくことになります。そして、何かのはずみでつまづいた時などに骨折し、その際に初めて骨粗鬆症と診断されることが多いのです。骨粗鬆症が怖いのは、普段は症状がないにも関わらず、重症になっていきなり症状が現れるところです。それが引き金となって、体調が悪くなり、寝たきりになり、要介護の状態になってしまうこともあります。「沈黙の疾患」とも呼ばれるゆえんです。

骨粗鬆症の症状


骨粗鬆症になると、

  • 背中や腰が痛くなる
  • 背中や腰が丸くなる
  • 身長が縮む

という代表的な3つの初期症状が現れます。骨の量が減ってきてもはじめは自覚症状がないことがほとんどです。気づかないうちに骨粗鬆症が進んでしまい、背中や腰の痛みがひどくなったり、手・足・背骨に骨折が生じたりします。

骨粗鬆症で生じる骨折は脆弱(ぜいじゃく)性骨折と呼ばれ、転倒などの軽微な外傷で生じます。
  • 脊椎圧迫骨折(背骨・腰骨の骨折)
  • 橈骨遠位端骨折(手首の骨折)
  • 大腿骨近位部骨折(太ももの付け根の骨折)
は3大脆弱性骨折と呼ばれ、骨粗鬆症の進んだ方に多く発生します。治療しないと寝たきりの原因になるので、入院して手術治療やリハビリ治療が必須となります

③(頚部)

③(転子部)

骨粗鬆症の検査

骨粗鬆症ではどのような検査をするのでしょうか?「骨粗鬆症外来」では、

  • 背骨・腰骨のレントゲン検査
  • 骨密度検査(DXA法;GE社製Chorale)
  • 血液検査(骨代謝マーカー)

の3つの検査を行い、診断・評価を行います。

レントゲン検査では、知らないうちに背骨・腰骨が潰れている「いつのまにか骨折」がないかを調べます。骨密度の測定は、最新鋭のGE社製の装置を用いてDXA法という精度の高い方法で行っています。検査は10~15分で終了し、痛みもなく、放射線被ばく量はごくわずかです。これまでに腕や踵で骨密度を測定されたことがある方もいると思います。しかし、これらは骨粗鬆症のスクリーニングには向いていますが、誤差が大きく、骨粗鬆症でもどのような状態にあるのかを正確に評価するには向いていません。「骨粗鬆症外来」では、このDXA法を用いて、腰の骨・股関節の骨の2か所の骨密度を測定し、総合的に骨密度を評価しています。
さらに血液検査で骨代謝マーカーを測定することにより、骨を作ったり、壊したりするスピードを調べます。現在、どれだけ骨を壊しているのか、骨を作っているのかを把握でき、その後の治療効果の指標として利用することもできます。



骨検

骨粗鬆症の治療

脆弱性骨折を起こさないようにするためには、転ばないこと、転んでも折れにくい骨にすることが重要です。丈夫な骨にするためには、次の4つの重要なことがあります。

  • 食事

    カルシウムを十分に摂り、その吸収を助けるビタミンDが不足しないようバランスの良い食事を心がけましょう。
  • 運動

    骨を丈夫にするためには、骨に負荷・刺激を与えるような運動が重要であることがわかっています。運動は、散歩やゲートボールなどの軽い運動でも十分です。歩くだけでも効果があります。軽い運動でも毎日続けることで、骨の減少を抑えることができます。必要な場合、当院での運動リハビリテーションも可能です。
  • 日光浴

    適度に日光を浴びると体内でビタミンDが合成されます。ビタミンDは腸に働いて食べ物で摂ったカルシウムの体内への吸収を助け、どんどん血液の中に送り込み、骨の細胞に働いて骨を強くします。晴れた日はなるべく外に出るようにしましょう。
  • 薬物療法

    骨粗鬆症はれっきとした病気であり老化現象ではありませんので、薬物療法が効果的です。現在ではよいお薬がたくさん開発され、病気の進行を抑えるだけでなく、骨の量を増やして骨折しにくい骨にできるようになってきました。骨を強くすると同時に痛みを和らげる効果を併せ持ったお薬も開発されています。骨粗鬆症では症状がなくても、ある時に脆弱性骨折を起こしてしまうことがあります。そのため、早期に骨粗鬆症を診断し、骨折する前に薬を飲んで骨折を予防することが非常に大切です。
    骨粗鬆症外来では最新の「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に基づいた薬物治療を行っています。検査結果、症状、生活環境から総合的に判断し、患者さんにとって最良・最適となるようなオーダーメイドの治療法を提案いたします。

代表的な骨粗鬆症のお薬

  • 活性型ビタミンD製剤 ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収を助けます。ビタミンDが不足していると、筋力が低下し、転倒・骨折のリスクが高まると言われています。また、日本人はビタミンDが足りていない人の割合が非常に多く、大腿骨近位部骨折を受傷した患者さんの9割以上がビタミンD欠乏症だったという調査結果が出ています。活性型ビタミンD製剤は飲み薬で、食品や日光浴よりも効率よく体内にビタミンDを取り込ませることができます。下記の他のお薬と一緒に飲むこともあります。
  • 骨吸収抑制剤 治療の基本となるお薬です。骨粗鬆症の方は、骨がどんどん吸収されて、骨が減っていってしまう状態にあることが多いため、このお薬で骨が溶けるのを抑えます。ビスフォスフォネート製剤、SERM(サーム)製剤、抗RANKL(ランクル)抗体などのお薬があります。飲み薬と注射があります。
  • 骨形成促進剤 骨をたくさん作らせるお薬です。骨の量を増やすことで、骨折を防ぎます。投与により骨折が早く治ったり、骨折による痛みが和らいだりすることもあります。注射のお薬です。
  • カルシトニン製剤 骨からカルシウムが溶けだすのを抑える注射のお薬です。痛みを和らげる作用があります。

一度脆弱性骨折をおこした患者さんは、再び別の箇所での脆弱性骨折を起こすことが非常に多いといわれており、2回目以降の骨折を予防することが大変重要です。当院では、一度骨折したら二度目は起こさせない「二次骨折予防」をモットーに、脆弱性骨折で受診・入院された患者さんには、骨粗鬆症治療を開始するようにしており、「骨折の連鎖」を防ぐことを目標にしています。薬物による適切な骨粗鬆症治療を早期に行い、再度の骨折で患者さんが苦しまないような予防的治療に力を入れています。

こんな悩み・症状のある方は骨粗鬆症外来へ

  • 人間ドックで骨密度が少ないと指摘された。
  • 閉経が早かったが、骨密度を測定したことがない。
  • ささいなことで骨折し、骨量低下が気になっている。
  • 最近、身長が縮んだ気がする。
  • 背中が曲がってきた。
  • 背中・腰が痛い。

太田市内で唯一の日本骨粗鬆症学会認定医である李相亮部長が毎週火曜午後に「骨粗鬆症外来」を行っています。群馬県内には10名の日本骨粗鬆症学会認定医が登録されていますが、太田市で日本骨粗鬆症学会認定医による骨粗鬆症の外来診療を受けられるのは当院のみです。骨粗鬆症診断・治療に関しては市内でもトップクラスの高い専門性があると自負しております。
最新の「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」に基づき、「いつのまにか骨折」を防ぎ、健康寿命延伸につながるような治療を心がけています。身長が縮んできた、腰・背中が曲がってきた、最近腰や背中が痛い、骨密度が低下していないか気になるという方は、ぜひ「骨粗鬆症外来」を受診してください。

診療スケジュール

基本的には予約外来の形をとっております。予約表持参の上、受付をお願いします。
予約を取られてない方は、直接受付窓口にお越しください。予約制となっており、予約患者さんの診察が優先となるため、予約のない新患患者さんや再診の患者さんには、長い時間お待ち頂く場合があります。事前にお電話(☎0276-46-0311)をして頂き、予約を取ることをお勧めいたします。

SWIPE

李相亮
(午後のみ;整形外科外来にて)

SWIPE

診療時間

平日

14時〜16時

*予約は基本的に30分間隔としております。

※状況により時間通りに診察できない場合もありますので、ご了承の程お願いします。

外来診察予約に関してはこちら

お問い合わせはこちらまで0276-46-0311

担当医師

李 相亮

り そうりょう

副院長 兼
整形外科部長
高齢者骨折治療
センター長

出身大学

平成12年 神戸大学医学部卒業

資格

  • 医学博士
  • 昭和大学整形外科兼任講師
  • 日本整形外科学会整形外科専門医
  • 日本整形外科学会認定スポーツ医
  • 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
  • 日本再生医療学会再生医療認定医
  • 日本骨粗鬆症学会認定医
  • 日本骨粗鬆症学会評議員
  • 日本骨折治療学会評議員
  • AO Trauma上級会員
  • ロコモアドバイスドクター
  • Orthopaedic Trauma Association, International member
  • Journal of Orthopaedic Science, editorial board member

専門分野

外傷、難治骨折、骨粗鬆症

骨粗鬆症外来からのお知らせ

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